すきまブログ

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ポスターからは想像もつかない感動作!ブリグズビー・ベアの感想

隠れた名作ってこういう映画じゃない?

なんかよくわからないけどめっちゃ泣ける!(笑)

 

評価 4.2

 

なんだか不気味でレトロな宣伝ポスターに惹かれて見てきました。ポスターからは想像もつかない展開の映画でいい意味で裏切られました。以下ネタバレありです。

 

あらすじ

赤ん坊の頃に誘拐され、偽の両親のもとで彼らが制作した教育番組「ブリグズビー・ベア」だけを見て育った25歳の青年が、初めて外界に出たことから巻き起こる騒動を描いたコメディドラマ。外の世界から隔絶された小さなシェルターで、両親と3人だけで暮らす25歳のジェームス。子どもの頃から毎週届く教育ビデオ「ブリグズビー・ベア」を見て育った彼は、現在はその世界の研究に没頭する日々を送っていた。そんなある日、シェルターに警察がやって来て、両親は逮捕されてしまう。これまでジェームスが両親だと思っていた男女は、実は誘拐犯だったのだ。ジェームスは生まれて初めて外の世界に連れ出され、“本当の家族”と一緒に暮らすことになるが……。スタッフ・キャストにはテレビ番組「サタデー・ナイト・ライブ」のチームが集結。ジェームスの育ての父親テッドを「スター・ウォーズ」シリーズのマーク・ハミル、カウンセラーのエミリーを「ロミオ&ジュリエット」のクレア・デーンズがそれぞれ演じる。

映画.comより引用

異常な環境で育てられた主人公

人里離れた地下シェルターのような場所で暮らし、電力も自家発電、外に出るときはマスク、作り物の野生動物、食卓での握手の儀式、決まった時間に就寝など、誘拐犯であるテッドとエイプリルに洗脳されて育ったジェームス。そして毎週届く、ブリグズビーベアというくまのキャラクターが登場する教育ビデオ。学校にもいっていないため、読み書きや計算など、大切なことはすべてブリグズビーベアに教えてもらい、ブリグズビーベアはジェームスの世界のすべてだった。

こんな異常な環境で育ったジェームスでしたが、赤ちゃんの頃に誘拐されたため、この生活になんの疑問も持たずに生活していた。そんな環境で25年間もで過ごした人間が突然、外の世界に連れ出された時の戸惑いはすごいだろうなと感じました。

ジェームスに身体的虐待は行っていなかったものの、テッドとエイプリルがしたことは異常なことで、彼らなりにジェームスに愛情を持っていたようではありますが、なんにしても歪んだ思考の持ち主達ですよね。なんともコミカルに描かれていますが、実際にこんな人たちがいたらかなり怖いです・・。

 

ブリグズビーベアという存在

ジェームスはブリグズビーベアの研究を趣味とし、その研究をネットに流したり(実際にはあの家ではネットは繋がっておらず、フォロワーだと思っていた人たちもテッドとエイプリルが演じた架空の人物でしたが)とにかくジェームスにとってブリグズビーベアは自分の一部のようなもの。テッド達が逮捕された時も自分の生い立ちよりもブリグズビーベアの続きが見れない事の方にショックを受けていました。
自分を誘拐した男が作り出したブリグズビーベアという存在は本来であれば、憎きものであるはずですが、ジェームズにとっては生きる希望。外の世界の生活に戸惑うジェームスに再び活力を与えてくれたのは皮肉なことにブリグズビーベアでした。

家族の苦悩

家族にとってブリグズビーベアは憎き誘拐犯を思い出す存在です。なので、ブリグズビーベアの映画作りに熱中するジェームスを見るのはさぞかし複雑な気持ちだったことでしょう。ジェームスを理解しようとする反面、いつまでもテッド達の影から逃れられずになかなか前に進めないもどかしさを感じていたように思います。
しかしラストでは仲間たちと映画作りに励むジェームスの幸せそうな様子を見て、あんなに嫌っていたブリグズビーベアを受け入れてくれたシーンは見ていてほっこりしました。ブリグスビーベア自体には罪はないですもんね。
 あとは妹と和解するシーンもなかなかジーンときます。最初から割と終盤までジェームスのことを避けていた妹ですが、ブリグスビーベアの映画作りを通して、ジェームスとの溝が埋まっていくシーンはよかったです。
 家族を引き裂いたのもブリグスビーベアでしたが、家族の絆を深めてくれたのもまたブリグズビーベアでした。

登場人物たちがみんないい人

基本的に悪い人は出て来ません。誘拐犯であるテッドとエイプリルでさえ、そこまで悪人ではありません。その中でも特にいい人だったのはスペンサーと刑事かなと思います。
刑事はブリグズビーベアの証拠品をこっそり分けてくれたり、映画の役も引き受けてくれたり、スペンサーは映画を作るというジェームズの夢を最初から笑うことなくCG作りなどたくさん協力してくれました。この二人の存在なくして映画の完成はできなかったと思います。だんだんとみんなが本気でいい映画を作ろうと気持ちを1つにして奮闘する姿がよかったです。特に刑事が最初はそこまで乗り気ではなかったのに、昔の夢を思い出し、役を演じきるシーンはよかったです。

マークハミルの存在感

マークハミルとはいえば、ルークスカイウォーカー(笑)今回も地下シェルターに暮らしているシーンなどではどこか未知の星に住んでいるようでどことなく、ルークの姿を思い出してしまいました。映画全体を通して登場シーンはそこまで多くないものの、なかなかの存在感でした。やっていることは異常なのですが、根からの悪人ではなくどこか憎めないというキャラクターを見事に演じていました。映画作りの中でも重要は役割を担っていたし、重要なシーンに登場して映画全体を締めてくれるとても貴重な役だったと思います。

これは青春を取り戻す映画

25年間監禁状態だったジェームスは普通の若者が経験するであろう事を何一つ知らない。恋も遊びも痛みも知らないジェームスですが、映画作りを通して、うまくいかない葛藤や恐らく初恋であったであろうスマイルシスターズを演じていた女性がすでに子持ち主婦だったなど、様々な現実を知ることになります。初めてブリグズビーベアーの映画を公開するときにまわりの評価が気になり、会場に出て行くことを躊躇するでシーンは、誰もが抱く恐怖やプレッシャーを初めて実感する場面で、本当は情けないシーンだけれども、とても暖かい気持ちで見ることができ、何より泣けます。そして最も泣けたシーンは最後に映画が無事に終わり、喝采を浴びるジェームスをブリグズビーベアーの幻が見守っていて、少しずつ姿が消えていくシーン。

25年間一緒だった、ブリグズビーベアーとの別れはジェームスが過去を断ち切り、大人になったということであり、思わず号泣してしまった。映画館でもすすり泣く声がところどころ聞こえた。

 

こんな人におすすめしたい

 

最近グッとくる映画見てないなぁー。

周りの目が気になって息苦しい。

爽やかな涙を流したい

 

そんな人がいたらぜひぜひブリグズビーベアーを観てみてください♪

最後まで読んでくださりありがとうございます。